(ボクシング)意識不明の辻選手が急性硬膜下血腫で死去


3月25日9時57分配信 日刊スポーツ
 日本ミニマム級1位辻昌建選手(30=帝拳)が24日午前6時30分、入院中の都内の病院で急性硬膜下血腫のため死去した。日本ボクシングコミッションJBC)が発表した。辻選手は21日の同級王座決定戦(後楽園ホール)で、KO負けした後に意識を失い、救急車で病院に搬送され、開頭手術を受けていた。
 JBCによると、リング上の事故で死亡した例は52年のJBC設立後、35人目。辻選手は02年10月にプロデビューし、戦績は16戦12勝(3KO)2敗2分け。
 通夜は25日午後6時から、告別式は26日午後1時から、いずれも東京都港区芝公園4の7の35、増上寺で。喪主は父賢興(けんおき)さん。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090325-00000013-nks-fight

辻さんの試合はジータスで放送していたのですが、見ませんでした。
再放送はされないようですので、もう見ることはできませんが、
■9ラウンドの後半くらいから辻選手の動きがおかしかったらしい
■インターバルでも様子がヘンだったらしい
■だが前半攻めていた辻がポイントでは上回っていたらしい
■10ラウンドにレフェリーの試合を止めるタイミングが遅かったらしい
大雑把にこんな状況だったようです。

なんとか最後の1回乗り切ればチャンピオン・・・なんとなくセコンドの気持ちもわからないでもありません。しかし、選手はまさに死ぬ気で戦っている、そしてそこから我々は感動や勇気をいただいている。でも当たり前の話だが残酷なシーンが見たいのではない。そして死ぬ気で戦えるのはおそらくセコンドがいるから、そしてレフェリーが、ドクターが見ているからである・・・はずです。
見てないのに勝手なことを書きますが、セコンドとしてまず第一に考えるべきは何とか乗り切って戴冠、ではないはずです。
私はボクシングでもキックでも総合格闘技でも、事故を減らすためにルールをこうするべきとか、そんなことは書けません。しかし、少なくとも見るものの立場として、今後
「試合を止めるのが早すぎる」
とだけは絶対に書かないことにします。今回の一件で、そう思った人は多いと思います。ですから、セコンドもレフェリーもドクターも、不安があれば信念をもって止めてください・・・本気でそう思います。

想像でモノを言って恐縮ですが・・・
単純には武器が多くなり守りにくくなる分、ダメージは
総合>キック>ボクシング
のように見えてしまいますが、実際にはボクシングが事故が多いようです。
そうすると、「一撃の大きさ」よりも「長時間」「こつこつ蓄積ダメージ」のほうが脳のダメージが大きいかもしれない。とすると、ルール的にはもっとラウンド数を減らすとか1ラウンドの3分をもっと短縮するというのが現実的かもしれません。
けれども、その種のルール変更は競技の特徴を大きく変えることにもなり、私ごときではこうしたほうが、などととても言えたものではないです。
しかしとにかく、「止めることのできる人たちが冷静に判断して適切に止めて欲しい」これは間違いなく言えます。
まずは「止めることのできる人たちがしっかりした判断基準と冷静さをもって安全を勝敗に優先させること」、そして見る側は「止めるタイミング(早すぎ)に関してだけは批判しないこと(「止めるのが遅すぎる」批判はあり)」判断基準を鈍らすような行動言動を避けること。
当たりまえのことをまず認識する。
タイミングに関して客観的に「こんな場合」なんてそう簡単に明文化できないでしょうし・・・。

悲しい事故がおこってしまったとき、それをけっして無駄にしないこと。
事故が教訓になったとしても、その事故の犠牲となったかた、周囲のかたがたのつらさは変わらないかもしれない。
でも、教訓にさえできなければ、それこそつらすぎます。

これまたきちんと調べたことではありませんが、メキシコでは止めるタイミングが早くて、かつ事故が少ないと聞いたことがあります。そういうことの積み重ねによって、競技人口が増加する→人気が上がる→競技にかかわる人たちの幸福度が上がる・・・につながるかもしれません。
単純な意見かもしれませんが、そういうこともあると思います。。それは悪いことではないかな、と思います。