東洋大 不祥事乗り越え総合初優勝

1月4日9時38分配信 デイリースポーツ
 「箱根駅伝・復路」(3日)
 東洋大が11時間9分14秒で、67回目の出場にして初の総合優勝を飾った。往路を制した東洋大は6区で2位に後退したものの、8区で逆転。完全Vを達成し、史上15校目の総合王者となった。16年ぶりの総合優勝に挑んだ早大は2年連続の2位で、3位は予選会を経て出場した日体大。2連覇に挑んだ駒大は13位に終わり、10位以内に与えられる次回出場のシード権を逃した。最優秀選手には、往路5区で区間新記録を樹立した東洋大柏原竜二(1年)が選ばれた。
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 汗と涙が染み込んだ鉄紺のタスキを、右手で持ち上げた。東洋大の校歌がこだまする大手町。肩を組み、凱歌(がいか)を上げる仲間たちへ、高見諒(2年)はもう一度「どうだ!」と言わんばかりに、タスキを掲げた。67回目の出場で、ついに歴史の扉をこじ開けた。
 「みんなの気持ちが詰まっている。だから外せないんです」。余韻に浸るように、高見はゴール後もしばらくタスキをかけていた。49年前の総合3位が最高だったチームが、往路に続いて復路も制しての完全V。史上15校目の王者は、最後まで強かった。
 山上りで“山の神”を超えた柏原の勢いは、復路でも生きていた。6区、トップが5回入れ替わる壮絶なデッドヒートの末、早大に首位を明け渡した。18秒の差を許したものの、7区で12秒差に詰めた。
 8区の千葉優(2年)が7・8キロでとらえ、並走の後、上り坂の16・5キロでギアチェンジ。ライバルを置き去りにすると、最後までトップを譲らなかった。「前半は経験者、中盤は若手。後半はこの1年で力をつけた子にしようと。早大対策を私なりに考えていた」。佐藤代行が描いたシナリオが、ズバリはまった。
 逆境をはねのけた。昨年12月1日、陸上部員が強制わいせつの現行犯で逮捕(同日付で退部)された。主力のケガも重なり、補欠を含めた16人中、9人しか練習できない時期もあった。出場辞退も本気で検討した。元部員と同じ2年生が元気をなくしていると、お互いが「走ることで結果を出すしかないんだ」と励まし合った。
 04年から図ってきた強化策も実った。12月に辞任した川嶋伸次元監督が現場で指導し、佐藤代行が選手のスカウトを受け持ち、植村和弘コーチが若手の育成を担当。分業での強化が、5年目で実を結んだ。
 ゴール後は胴上げを自粛した。「走れることに感謝する」と心に決めただけに、主将の大西一輝(4年)の提案に、全員がうなずいた。柏原ら6人のメンバーが残る来年。大手町で、腹の底から歓喜の雄たけびを上げる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090104-00000015-dal-spo

さすがに最近ちょっと騒ぎすぎの感があります。果たしてミーハーな(死語?(笑))ファンの増加が競技力の向上や陸上競技そのものの向上につながるのか?
東洋大学の昨年の不祥事の際に「●●クンがかわいそうだから出させてあげて欲しい」みたいな意見が多いのに苦笑しました。もっともこれについては「連帯責任で辞退すべき」という正反対の意見もありましたが、これも駅伝の特殊性などがわかってない意見としか言いようがなく、なんだかなあ・・・でした。
ずっと見ていて、感じたことは
山梨のモグスはすごい
やはり覚悟が違うのか。志が高いのか。
それに比べ、竹澤健介佐藤悠基といった学生長距離界のスターのひ弱なこと。どちらも調子が今ひとつなのはわかりますが、とうとうモグスとの対決を避けたまま4年を終えてしまいました(厳密には竹沢は過去戦ってますが)。もちろん戦えば負けるでしょう。
竹沢なんて、結果論とはいえ3区をあれだけ走れたのですから2区だって走れたはずです。距離は2KMくらいしか違いません。たとえばモグスが体調が優れないから3区なんて、考えられますか?
学生のエースなのであれば弱い区間区間記録を狙うのではなく、あくまでプライドをもってエース区間の2区、あるいはもっとも勝負に影響の出る5区を走らないと。しかし5区は特殊区間だし、2区よりさらに足の負担がすごいので・・・
東洋の柏原竜二はすごい
関東インカレ(実は学生にとって最も重要な試合)で日本人トップであった実力はダテじゃない。しかしここまですごいとは。今年の東洋の勝因はみんなが実力を出し切ったこと、そしてもうひとつはこの柏原の快走。
かつての山の神今井正人との違いは、今井はほんとにスペシャリスト。柏原はゼネラリスト(表現が変)。この人は山だけではない。将来が楽しみです。
外国人は今後減るのではないか
外国人選手が陸上留学で大学に所属するのが、かれらの目指すものを考えたときに必ずしもベストの選択ではなくなったいま、外国人は減りそうです。そういうなかで「駅伝が大好き」といってがんばってきたモグスは立派なわけです。だって、オリンピックや世界選手権を目指すとしたら、駅伝とはベクトルが違うでしょう。