(ボクシング)榎初黒星も、無敗V9王者苦しめた…WBA世界フェザー級


10月25日8時2分配信 スポーツ報知
 ◆報知新聞社後援 ダイナミックグローブ ▽WBA世界フェザー級タイトルマッチ ○クリス・ジョン(判定3−0)榎洋之●(24日・後楽園ホール) WBA世界フェザー級4位・榎洋之(29)=角海老宝石=が世界初挑戦でプロ初黒星を喫した。王者クリス・ジョン(29)=インドネシア=の足を使ったボクシングと正確なパンチに序盤から劣勢に立たされた。気持ちで前に出続けたものの、0−3の大差判定負け。念願の世界ベルト獲得はならなかった。榎の戦績は27勝19KO1敗2分け。10度目の防衛に成功したジョンは42勝22KO1分け。
 結果は誰よりも本人が分かっていた。世界初挑戦の終わりを告げるゴングが鳴った直後。リング上で、榎は申し訳なさそうに大応援団に頭を下げた。「やっぱりそこらへんのボクサーじゃなかった。うまいし、強いし、冷静で…」生年月日がまったく同じ王者との無敗対決は完敗。離れても接近戦でも、正確なパンチを繰り出された。世界の壁は厚かった。
 魂は見せた。打たれても打たれても前に出た。「自分は下手なボクサー。下手なりのボクシングを貫いたほうが勝てると思って」と果敢に接近戦を挑んだ。2回、終盤とジョンをぐらつかせたが、次の一撃を決めさせてもらえない。6回には左目の周囲がはれ上がり視界は閉ざされた。それでも最後まで前に出て、勝利の可能性を追い求めた。
 日本王者時代の05年から世界挑戦の機運が高まったが実現せず、モチベーションは落ちた。練習中に「もう帰る」と突然、帰宅して周囲をア然とさせたこともある。金足農高時代、判定負けに納得がいかずコーナーポストを殴りつけ、進学先の推薦を取り消されたこともある榎が自分のため、世界戦実現に奔走してくれた支援者のため、そして家族ら応援してくれるすべての人のために戦ったが、現実は厳しかった。
 29歳にして喫したプロ初黒星。今後について「ゆっくり休んでから考えたい」と明言しなかった。「久々に挑戦者として戦って、応援してくれた人には申し訳ないけど、面白かった。自分の力がなかっただけです」榎の表情は敗者とは思えないほど、すがすがしかった。
 ◆榎 洋之(えのき・ひろゆき)1979年9月14日、秋田市生まれ。29歳。14歳からボクシングを始め、金足農高卒業後に角海老宝石ジムに入門。プロデビューは98年8月で中島浩愉(松田)に1回TKO勝ち。04年9月に日本王座、06年1月に東洋太平洋王座を獲得。身長170・5センチの右ボクサーファイター。家族は妻と1女。
 ◆クリス・ジョン10度目防衛成功 ○…一発打ち込んで距離を取る策が奏功し、3−0の大差判定勝ち。10度目の防衛に成功した。3回には右アッパーを決め、以降は有効打でポイントを稼いだ。「榎は素晴らしい選手。5回くらいに勝利を確信した」佐藤修(協栄)、武本在樹(千里馬神戸)に次ぐ日本選手3人目の挑戦者を退け満足げ。リングサイドには大勢のインドネシア大使館関係者が陣取り、試合は母国に衛星生中継された。「みんなの応援のおかげで10度防衛できた」と国民的英雄は最高の笑顔をみせた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081025-00000058-sph-spo

なんかポンサクレック3度目の挑戦の時の内藤を思い出せる雰囲気があり、ひょっとするとアップセットあるんじゃないかと思って、昼、後楽園ホールに電話すると、若干枚チケットがあるとのこと。
会社が近いもんで、雨の中会社のママチャリで後楽園ホールに行き、チケット購入。仕事を終えて再び後楽園ホールに行き席に着くと、セミファイナルでした。力感あるパンチが当たらない選手と、力感ないパンチがなぜか当たる選手の戦いが引き分けに終わり、メイン。

会場は大盛り上がり。インドネシアの人も結構いたみたいですが、さすがに榎洋之。多分、ボクシング好きの人たちにとって最も「取らせてあげたい」選手でしょうし、応援はいつもの赤いタオルの人たちだけではありません。さらに「テレビ地上波の馬鹿野朗!」「となりのドームでやってるやきうの馬鹿野朗!」な人も多いかと思います。
富樫アナウンサのコールも長めで熱く、なんかジーンと来ます。
榎は、K-1でテレビに出てるような選手にはないストイックな雰囲気がいい(K-1選手を悪く言ってるつもりはないので為念)。

試合は、榎も攻めますがジョンはすごい。なんというか、強い!とか恐ろしい!とかいうのでなくて、柔らかくて運動神経抜群という感じで、いろんなところから手が出てしかもそのすべてがスムーズかつスピーディ。大差があるようにも思えないんですが、それぞれのラウンドで優劣をつければやっぱりジョン、というラウンドを重ねて終了・・・会場の印象では、8ポイントも?と思いますが、それは会場の雰囲気もあったのかもしれません。あとでテレビ見たら、榎のパンチはガードされてても沸いてました(^_^;)よく当たるジャブをもっと見たかったかなというのはありますが、ジョンがうまかったんでしょうか。

クリス・ジョンは、アメリカで大金を稼げる試合に出させてあげたいですね。あのファン・マヌエル・マルケスに勝ってるとのことですが、実力>>>>知名度ということで敬遠されちゃうんでしょうか?アジア人ではパッキャオという化け物がいますからその割を食ってるんでしょうか?

榎は・・・わかりませんけど、体型を見るとフェザー級はつらいんじゃないでしょうか。もちろん続けて欲しいですけど、個人的には階級上げて内山とやるとか、そういうのを見たいです。

いい試合でした。行ってよかったです。