高橋尚子引退 会見で表明「完全燃焼、さわやかな気持ち」


10月28日19時35分配信 毎日新聞
 2000年シドニー五輪陸上女子マラソン金メダルの高橋尚子選手(36)=ファイテン=が28日、東京都内で会見し、競技生活からの引退を正式表明した。理由について高橋は「練習でどう試行錯誤しても、全力でやっても、納得いく走りができなくなった。肉体的、精神的に限界を感じた」と説明。現在の心境について「自分の中では完全燃焼。さわやかな気持ちです」と笑顔で語ったが、会見の最後には感極まって涙を流し、顔を手で覆う仕草を見せた。
 高橋選手は3月の名古屋国際女子マラソンで27位に終わり、北京五輪出場を逃した。今年5月からは米国を拠点に東京国際(11月16日)、大阪国際(来年1月)、名古屋国際(来年3月)の3大会連続出場を目指して練習を積んでいた。しかし、自身が計画したレベルの走りができず、8月下旬ごろから悩んだ末、10月10日に所属先からの了解も得て、3大会に出場せず引退することを決めたという。
 今後について高橋選手は「具体的なことは決めていないが、多くの人に陸上の楽しさを伝えていきたい」と語り、愛好者として走り続けることにも意欲を見せた。【石井朗生】
 【略歴】高橋尚子
 県岐阜商高、大阪学院大を経て95年にリクルートに入り、小出義雄氏の指導で成長。積水化学に移った翌年の98年バンコクアジア大会で2時間21分47秒の日本最高記録(当時)を出し優勝。00年シドニー五輪で日本陸上女子初の金メダルを獲得し、国民栄誉賞も受賞した。01年ベルリン・マラソンで2時間19分46秒の世界最高記録(当時)を樹立。03年からスポンサーと所属契約を結ぶプロ的な活動を開始した。05年に小出氏から独立。ファイテンに所属して専属スタッフとともに活動していた。163センチ、46キロ、36歳。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081028-00000016-maip-spo

ほんとにすごい選手でした。
10年前くらいか、アジア大会のこの人の走りをテレビで見て、衝撃を受けました。
ここまで強い日本人がいたとは・・・これはオリンピックでチャンス。有森2世なんかじゃない。これまでの日本のマラソン選手のように粘りで落ちていく選手を拾って何とかメダル、ではない。終始優勝争いに参加した上で金メダル、のチャンス。
そしてシドニーでは堂々と、優勝候補として(←これがすごい)優勝。
やっぱりここまで、あと世界記録くらいがピークでしょうか。
なんか国民栄誉賞がこの人にはよくなかったんじゃないか、妙なプレッシャーになったんじゃないかと思います。だんだん、発言などが鼻につくほどに優等生で、ちょっとなあと思うようになりました。私なんかはトップを維持していく苦悩みたいなのをもっと知りたかったです。

そして、やはり超一流のアスリートの場合、何割かはコーチのおかげというか功績。
小出さんあっての高橋だった・・・
かなり勝手な妄想①
アテネの選考会で失速」「再レース回避」このあたりで小出氏不信。
再レース、出たかったんじゃないか?疲労が若干あったとしても土佐なんかには負けないと思っていたでしょう、当時なら。本人としては、出れば代表になっていた。オリンピックでは疲労が影響するかもしれない、でも自分はそのほうがよかった、ディフェンディングチャンピオンなんだよ。
しかし小出さんの読みでは、回避すればかなりの確率で代表が転がり込んでくる。そうすればオリンピックで戦える・・・
小出判断で回避。
そして人格者だがやたら負けん気が強いといわれる土佐の怒りに火がついた(笑)

選ばれなかったときの本音はどんなもんだったでしょうか?
コーチと選手の関係は、普通の人間にとって異常らしい。「雲古」まで見て「あれ〜今日は色がヘンだなあ」なんてやるんだそうで、信頼にヒビが入ったら続かない。
コーチの重要な役割は、やたらとモチベーションの高い選手を「止めること」もあるんだと思います。
独立したら、その、止める人がいない。
かなり勝手な妄想②
激しい練習で追い込まれた状態のとき、周囲の人が「今日はこのくらいにしておいたほうが・・・無理してバランス崩したり怪我したりが怖い」
それに対し「私は今まで、ここでさらに踏ん張って頑張ることによって自分のポテンシャルを高めてきた。いまこそその段階」
この見極めが、小出さんならつく。あるいは、周囲のひともわかったかもしれない。でも小出さんの言うことなら聞いても、独立後の周囲の人だと聞かない、従えない。

そんなところに、加齢による体力の低下、疲労の抜けも悪い。怪我もしやすくなる。
こういうのは、さらにもうちょっと年齢がいってみないとわからない。40近くなるとわかる(笑)
だから、同世代の高橋ファンって、薄気味悪いくらいに最後の最後まで期待しましたよね。自分らを映し出すんでしょうね。まだまだ若いもんには負けない、調整さえきちんとできれば負けない。
でも「きちんと調整できる確率」がすっかり落ちる。勝てない。
この後は書いてもしょうがないですけど・・・

ラソンも変わってきて、もう日本人はよほどのことがないと勝てないと思っています。以前から日記に書いてるように、男でいえばゲブレセラシエみたいな感じでディババのようなすごい選手がマラソンに進出したら、もう絶対無理。そして、きっとやって来ると思います。
ですが、福士、小林ゆりこ(字を忘れた)、絹川愛あたりが切磋琢磨して、世界のどこまで食い込んでいけるか、これは非常に楽しみです。