ボルト連続世界新で2冠/陸上

2008年8月21日(木)09:42

北京五輪:陸上>◇20日◇男子200メートル決勝

 世界最速男ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が「不滅の記録」をぶち破った。200メートル決勝で19秒30の世界新記録をたたき出した。96年にマイケル・ジョンソン(米国)がマークし、「100年は破られない」と言われた世界記録を0秒02更新。9秒69の世界新で制した100メートルに続いて、2冠を達成した。五輪の100メートル、200メートル制覇は84年ロサンゼルス大会のカール・ルイス(米国)以来、24年ぶり。世界短距離史の伝説ともいえる2人がかすむほどの金字塔を、21日に22歳になった新星が打ち立てた。

 とてつもない記録が出た。ボルトが、またやった。スタートから飛び出した。コーナー出口で勝負を決めたが、スピードは緩めない。歯を食いしばった。後続は、はるか後ろ。胸を突き出して、フィニッシュした。向かい風0・6メートル、19秒31−。速報値は直後、19秒30に訂正されて、夢の記録と2冠が確定した。

 「夢がかなったよ。準決勝の後、心配になったんだ。でも、すべてを出し切ろうと思った。この記録は予期していなかった。ショック、ショックだよ。直線に入った時、自分に言い聞かせたんだ。『そのまま、もってくれ』って」。6日間で8レース目。100メートル決勝でさえ、ラスト20メートルは流した。全力疾走は1度もなかったが、最後の最後で本気をみせた。

 ウイニングランの途中に、歓喜のレゲエ・ダンス。その後、場内に流れたバースデーソングの中を、悠々と引き揚げてきた。

 レースの5時間前には、会場の国家体育場でマイケル・ジョンソン氏が会見していた。「記録を破られても驚かないし、ショックも受けない。結局は、僕の記録にさよならのキスをしなければならないだろうね」。覚悟を決めたかのようだったが「ここで破られるとは思わない」とも続けた。予想より早く、別れの日はやってきた。

 ボルトにとって、ジョンソン氏はあこがれの存在だ。クリケットに夢中だった96年当時、アトランタ五輪のレースは、テレビで見た。あれから4403日。ピッチを刻んだジョンソン氏とは違う、196センチの長身から繰り出すストライド走法で、記録を塗り替えた。

 速すぎるゆえの、やっかみもある。ジョンソン氏と同席した国際陸連のディアク会長には、米国メディアの一部から、ドーピングを疑う質問も出た。それほど、あっさり記録が出てしまったが、ボルトは言う。「簡単に見えた? ノー、そんなわけないでしょ! (苦しくて)泳いでいるみたいだったよ」。

 この日は、21歳最後の日。レース直前、名前をコールされると頭をこすって「ゲッツ!」に似たポーズを取るなど、若さゆえのおどけた面も隠さない。まだ実力の限界は見えてない。「チャンピオンになるために、頑張ってきた。これからはトップにいられるように、もっと頑張るよ」。速くて、強くて、面白い。新時代のスプリンターが、誕生した。【佐々木一郎】
http://news.goo.ne.jp/article/nikkan/sports/p-sp-tp0-080821-0021.html

恐ろしいことにマイケル・ジョンソンの記録まであっさり破ってしまいました。
もっとも、今回は最後まで本気。けっこう最後はきつそうでもあったけど、スピード持続。
レベルは違うけど、素人スプリンターもあんな感じで「200は気力!」なんて言って頑張ったりします(笑)

5000M、松宮は地味だけど立派な日本のエースで、ああいう舞台でもっと目立って、有名になったりとかいい思いして欲しいのですが、残念な結果でした。しかしスパイクが脱げるというのは・・・アクシデントとはいえ、踏まれることも想定したヒモの結び方とか、そういうのも万全の準備のなかには必要なことかもしれません。
でも、あの世界のレベルでは、調子がよくても決勝進出は難しいですよ。壁が高すぎです。

澤野は予選落ちでしたが、走り高跳びの醍醐にしても幅跳びのイケクミにしても、決勝進出とか入賞とかはあくまで目標なんであって、別に決勝に出られないのが誤算なのではない。彼らは何の落ち度もなくて、世界がすごいだけです。これは日本の陸上選手のほとんどに当てはまります。
室伏と野口だけはさすがに誤算だと思いますが。

関係ないけど、陸上においては、マラソン以外でサングラスする選手って、いろいろ目的はあるのでしょうけどちょっと自意識過剰なんじゃないでしょうかね。澤野とか(^_^;)