エースの出来が勝負の分かれ目 駅伝対策委員長の青葉氏が振り返る


2007年01月03日
 2007年の新春を彩る第83回箱根駅伝は、順大の6年ぶり11度目となる総合優勝で幕を閉じた。スポーツナビでは、関東学生陸上連盟で駅伝対策委員長を務める青葉昌幸氏に“史上最大の戦国駅伝”と言われた今大会を振り返ってもらった。
 今大会は、出場校20チームの1万メートル平均タイムの差が30秒以内であり、どのチームでも優勝するチャンスがありました。しかし、順大が2位に6分もの大差をつけて優勝したことで、あらためて箱根駅伝は1万メートルなどの持ちタイムだけで評価ができない大会だなと思いました。
 また、これだけ力が拮抗(きっこう)しているにもかかわらず、神大関東学連選抜が9区の鶴見中継所で繰り上げスタートになってしまったことは残念でした。
 レースを振り返ってみると、“山の神様”今井正人君を擁する順大が優勝という結果になりました。戦前、優勝候補に挙がっていた東海大や日大には、もっと順大へプレッシャーをかけて、精神的な揺さぶりをかけてほしかったです。両校はそうする前に大差をつけられてしまい、最後は自滅しましたね。
 勝負の明暗を分けたのは、やはりエースが仕事をしたかどうかでしょう。連覇を目指した亜大は、昨年の優勝に大きく貢献した山下拓郎君が2区で失敗。日大は大きなミスがなかったものの、エースのギダウ・ダニエル君と土橋啓太君の走りがいまひとつで、チームをけん引することができませんでした。昨年はモグス君の快走を生かして2位と好結果を残した山梨学院大でしたが、ことしはモグス君の失速で勢いが途切れてしまって優勝争いから脱落――。そんな中、順大は出だしこそ二けた順位と出遅れましたが、エースの今井君が3年連続区間新記録の快走を見ると、復路でも区間賞を2つ(一つは区間新記録)取って、他を寄せつけませんでした。
東海大はオーダーミス
 優勝候補の最右翼だった東海大は3位に終わりましたが、敗因はやはりオーダーミスでしょう。私も当初は東海大が優勝するだろうと予想していましたが、エースの佐藤悠基君と伊達秀晃君が1区と2区にエントリーされたのを見て、優勝は厳しいと思いました。レースの展開は東海大の思惑どおり、序盤で4分ものリードを奪いましたが、その貯金を生かすようなチームができていませんでしたね。優勝するためにエース2人を序盤に投入したのは、少々無謀な作戦だったと思います。
 ただ、優勝は逃しましたが、1区で渡辺康幸さん(早大)の記録を12年ぶりに破った佐藤君には、今大会のMVPをあげたいですね。
順大・今井君にはマラソンでの活躍を期待
 3年連続区間新記録を樹立し、箱根の山を平地のように走ってしまう今井君には、その脚力を生かして、ぜひマラソンでの活躍を期待したいです。
 今年は、タスキをもらった時点でトップの東海大と4分以上の差があり、最終的には逆転するとは思いましたが、まさかあんなに早くトップに立って独走するとは思いませんでした。
 トラックの持ちタイムでは上の日体大北村聡君と同時にタスキを受け取りましたが、今井君には大きく置いていかれました。箱根の山上りに持ちタイムは関係なく、必要なのは山を上るためのテクニックです。今井君は、山を上るための精神力、技術、体力すべて備わっているのでこれだけの走りができるのではないでしょうか。
<了>
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/athletic/ekiden/hakone/83rd/topics/200701/at00011939.html

ところどころ、「そうかなあ、違うと思うがなあ」と感じます。
>1万メートルなどの持ちタイムだけで評価ができない
これはある部分当たってるかなと思います。記録会によく出る選手はたまに「当たり」が出るから単純な比較は…
しかし、それでも10000M28分台や5000M13分台となると、やはり強い。
そして、インカレなどの試合で上位に来る選手は駅伝でも非常に強い。
>勝負の明暗を分けたのは、やはりエースが仕事をしたかどうか
これもある部分は当たっていると思います。というか、当たり前だろうと思います。
しかし、今回の順大の勝因は、準エースが活躍したこと(たとえば佐藤秀和がしっかり走ったこと…そもそも佐藤秀和は「準エース」ではいけないのですが)だと私は思います。逆に、東海大は準エース杉本荒川が出ませんでした。この2名が出ていたらやはり東海の優勝だったんじゃないかといまだに思います。東海大はオーダーミスではないと思います。逆に順大は、エース松岡はいまひとつ目立ちませんでした(調子悪かったのでしょうかね)が、崩れもしなかった、そういったことも勝因だと思います。
箱根駅伝で勝つには…①インカレ5000M10000Mで入賞できる強いエースができれば2名いること、かつ、②メンバーに10000M30分台の選手が含まれないこと、あたりではないかと思います。でもそれでは昨年の亜細亜大学の優勝の説明がつきません。そうです。昨年の亜細亜は失礼ながら「まぐれ」なんです。順大がコケたというのもありますし。
1区で非常識な(笑)差をつけた佐藤悠基、5区でいつも強い今井正人は ネ申。
現時点で来年を占うと、優勝は東海大
>順大・今井君にはマラソンでの活躍を期待
ラソンで日本人トップクラスになるにはもっとスピードを磨かないと…と思います。私はクロカンのスペシャリストを期待したいです。