週休2日確保し導入 労働時間規制見直しで厚労省が新案


asahi.com 2006年11月10日16時21分
 労働法制改正の焦点となっている労働時間規制の見直しで、厚生労働省が新たな素案をまとめた。一定の年収以上の会社員を労働時間規制の対象から外す自律的労働時間制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)について「自由度の高い働き方にふさわしい制度」と名称を変えて導入を明記。同制度には過労による健康被害を懸念する声が強いことから、対象者の休日を週2日以上とすることを企業に義務づけ、適正に運営しなかった企業には改善命令や罰則を科すなどの内容を盛り込んだ。
 同省は、10日午後に開かれる同省の審議会に素案を提示。来年の通常国会労働基準法改正案など関連法案を提出する考えだが、休日確保で過労が防げるのかなど論点も多く、労使の調整は難航が予想される。
 ホワイトカラー・エグゼンプションは、時間ではなく成果に応じて賃金を支払う制度で、対象者は残業代の規制から外れる。素案では、対象者として(1)労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事(2)業務上の重要な権限や責任を相当程度伴う地位にある(3)年収が相当程度高い――などの条件を列挙。具体的な年収水準は、素案段階での明示は見送り、今後の労使の協議に委ねた。
 一方で長時間労働を助長しないよう、「休日の確保、健康・福祉確保措置の実施を確実に担保」との表現を盛り込んだ。現在、労働者の法定休日は週1日だが、対象者については1年間で週休2日分(年104日)以上の休日確保を企業に義務づける。また、本人の申し出による医師面接を義務づけている労働安全衛生法の規定を、月100時間の残業から80時間程度に引き下げる。

 残業の割増賃金率については、同省は6月の当初案で「1カ月の残業が30時間を超えた場合は現行の25%増しを50%増しに引き上げ」としていたが、素案では、割増率引き上げの義務づけは健康にかかわるような「長時間労働者」に限るなどと後退した。

 労働側は、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入自体に反対している。経営側に長時間労働を是正する姿勢がみられないとして、「中途半端な妥協はできない」(高木剛・連合会長)と反対姿勢を強めており、合意の道のりは険しそうだ。
http://www.asahi.com/job/news/TKY200611100300.html

 

残業代ゼロ合法化で喜ぶべきこととは?
【PJニュース 11月15日】− 安倍内閣が来年の通常国会で「ホワイトカラー・イグゼンプション」という法案を提出するそうだが、この新制度が導入されると、サラリーマンの報酬は大幅にカットされるそうだ。報道では年間114万円がカットとされるそうだが、この額からサラリーマンは残業に頼る部分が大きいことがわかる。確かに残業をすればその分多く給料はもらえるかもしれないが、はたしてそれに見合った仕事をしているのだろうか。
 以前、PJ堀口が勤めていた職場では珍しく残業代が支給されていた。はじめは皆遅くまで残って仕事をしていてとても熱心だと思っていたが、何日か勤めて、皆、遅刻をしたり雑談をしていたりして、ダラダラと仕事をやっていることがわかった。聞いてみると、遅くまで残っているのは残業代が欲しいから、とのことだった。それを聞いて愕然としたことがある。これこそ仕事量の粉飾ではないか。
 残業代カットでその分タダ働きするとの見方が出ているが、もし出ないならば、定時までサクッと仕事を終わらせ、帰ってしまえばいいだろう。仕事の効率もアップするし、自分の時間も持てるわけだ。皆が仕事をしている中、帰りづらいと思うかもしれないが、別にやることさえやってしまって堂々と帰ればいいではないか。周りのことが気になると言う人もいるが、自分の人生なのだから自分で行動すればいい。
 残業代カットで単純に収入が減る、といった報道が流れているが、非常に安易な発想だと思う。PJは本当に稼ぎたいのなら残業はすべきではないと考える。なぜなら、自分の時間をできるだけ多くもち、その時間で副業をしたほうがもっと稼げるかもしれないからだ。また、副業で好きなことして金になるならば、生き甲斐も増すのではないだろうか。
 新制度が導入されたら、早く家に帰れる可能性も出てくる。自分の時間を持てるのは喜ばしいことではないか。今、教育問題が盛んに取り上げられているが、その一つの原因として、子供が親と過ごす時間が少ないということが挙げられる。早く帰って、子供と一緒に遊んでもいいし、もっと稼ぎたいなら好きな仕事で副業をすればいいだろう。
 日本はお金持ちの国である。たかが残業代カットでブーブー言う前に、自分で何ができるか考えてみるべきである。かつて日本が高度経済成長の頃、自分の会社で働けば働くだけ給与がもらえたそうだ。しかし、今の時代、そのようなことは難しいだろう。また最近は、景気回復と騒いでいても、別に給与が上がったわけでもない。さらに、ここ数年で終身雇用制も崩れて、転職する人も増えたようだ。そろそろ会社に頼って生きていく時代に、終わりが来たのではないだろうか。【了】
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2719970/detail

下のほうの引用は、「これ、ニュースかよ?」と突っ込みたくなるところではありますが(リンク先にはちゃんと「オピニオン」となっています)、まあ、関係者でもなく識者でもないかたの思い、だと思います。ただ、本音レベルではこう思っている人もそれなりにいると思います。でも現実は、副業を始める余裕も知恵もないし、別に仕事を持ってそこでまで人に使われるのはいやだ…実は残業がもっとも小遣い稼ぎとして楽な手段だ、という。
残業って…本当はやりたくないんですかね?本当はやりたいんですかね?どっちなんでしょうね。
これまでの拙い経験や、いろいろと見聞きするところでは、平均的なのは「自分のペースでよくて30〜40時間/月程度だったら実はやりたい」んじゃないでしょうか? でも実際のところ、30〜40つけたければ50〜60はやらないとなんか請求しにくい、みたいな(笑)
こうして考えると、日本人の給料というのはやはり高すぎるのかもしれないですね。上記の発想というのは、まさに、時間を選ぶかお金を選ぶか、のときに現状ではまず「時間よりカネ」を選択、なわけで、バランスが崩れているということでしょう。たとえば、残業代が時間当たり800円だったら、私ならとっとと帰る…あ、オレ残業代ゼロ円だった(笑)
ホワイトカラー・エグゼンプション」の一方で、「割増歩を上げる」話も出ていますが、こういう環境で割増歩を上げるというのは、本来の目的?と思われる時間外労働そのものの削減にはつながるわけはありません。
では、下げるのかよ、となると、これはもうナンセンスでありえない話です。
…以上はすご〜く単純化してますので一概に言えないし、個人差もあるのも言うまでもない話ではありますが。