コールマンは母国白星ならず、ヒョードルが完勝=PRIDE米国大会

 アメリカ初上陸となる「PRIDE.32〜THE REAL DEAL〜」が現地時間21日(日本時間22日)、ネバダ州ラスベガスのトーマス&マックセンターで行われた。前日公開会見に2000人が集まるなど、ファンの熱気と興奮を受け選手も発奮。全8試合中7試合が一本・KO決着となった。
 最終第8試合に登場したのはPRIDEが誇るヘビー級チャンピオンにして“地上最強の男”エメリヤーエンコ・ヒョードル。手の手術を経て昨年大みそか以来の復帰戦に臨み、マーク・コールマンと対戦した。試合前のVTRで「娘たちのために戦う」と決意を語ったコールマンは、開始から得意のタックルで飛び込む。しかし、盤石の腰を持つヒョードルは倒れず、逆にフロントチョークを仕掛けてコールマンを脅かす。しつこくしがみつきテークダウンを狙うコールマンだったが、ヒョードルはそこへ“氷の拳”と呼ばれるフックとアッパーを連打。コールマンの顔面は破壊され、鮮血で真っ赤に染まる。
 だが、折れない心でタックルを続けたコールマンは2ラウンドついにテークダウンを奪取。ここからパウンドで本領発揮と思われたが、ヒョードルはその腕をとらえて腕十字。2004年4月の第1戦を思い出させるようなフィニッシュで、ヒョードルアメリカのファンに強さを見せつけた。
 もう1人PRIDEの強さを見せつけたのが、2005年ミドル級GPの覇者マウリシオ・ショーグンだ。ケビン・ランデルマンと対戦したショーグンはラスベガスルールで得意の踏みつけを封じられたが、慌てず動ぜず。開始早々のタックルにテークダウンを喫したが、すぐにランデルマンの左足をとらえるとそのまま逃がさない。ヒールホールド、アンクルホールドと変幻自在な足関地獄でランデルマンに悲鳴を上げさせ、最後は足をへし折らんばかりのヒザ十字でタップを奪った。
 無差別級GP準優勝で男を上げ母国凱旋したジョシュ・バーネットだが、柔道アトランタ五輪金メダリストのパウエル・ナツラに苦戦。テークダウンを狙うも逆に倒され、2ラウンドには組みつこうとしたところに左フックを連発で浴び動きが止まる。危うしと思われたが、サイドポジションのナツラを跳ねのけるとすぐに足首を取りアンクルホールド。エメリヤーエンコ・アレキサンダーマーク・ハントに見せた極めの強さをここでも発揮し、番狂わせを許さなかった。
 このほか、昨年のウェルター級GP王者ダン・ヘンダーソンは、ブラジルのビクトー・ベウフォートに3−0の判定勝ち。変則的な右の強打を振るいながらそのまま組みつき、テークダウンする戦法で勝利した。PRIDE3連敗の西島洋介は必勝を期しフィル・バローニと対戦したが、開始すぐにタックルで倒されるとそのまま立ち上がることができず、自慢の拳を振るう間もなくアームロックで敗れた。前回、中尾“KISS”芳広との凡戦で大ブーイング浴びた中村和裕は、カナダのトラビイス・ガルブレイスにヒザ蹴りからパンチを浴びせてTKO勝ち。失地回復に一歩を踏み出した。
 また、PRIDE常連選手であるシウバ、吉田、藤田、マッハ桜井がリングからあいさつする場面もあり、ファンは歓声で歓迎。今大会の成功を受け、早くも来年2月にPRIDEのラスベガス再上陸が予定されている。

■「PRIDE.32〜THE REAL DEAL〜」
現地時間10月21日(日本時間22日)ネバダ州・トーマス&マックセンター
<第8試合>
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル)
(2R 1分15秒 腕ひしぎ十字固め)
マーク・コールマン(米国/ハンマーハウス)
<第7試合>
マウリシオ・ショーグン(ブラジル/シュートボクセアカデミー)
(1R 2分35秒 ヒザ十字固め)
ケビン・ランデルマン(米国/ハンマーハウス)
<第6試合>
ジョシュ・バーネット(米国/フリー)
(2R 3分04秒 足首固め)
●パウエル・ナツラ(ポーランド高田道場
<第5試合>
ショーン・オヘア(米国/バローファイティング)
(1R 0分29秒 KO)
バタービーン(米国/チームバタービーン
<第4試合>
ダン・ヘンダーソン(米国/チームクエスト)
(3R 判定 ※3−0)
ビクトー・ベウフォート(ブラジル/フリー)
<第3試合>
●西島 洋介(日本/高田道場
(1R 3分20秒 アームロック)
フィル・バローニ(米国/ハンマーハウス)
<第2試合>
○中村 和裕(日本/吉田道場)
(2R 1分16秒 TKO)
●トラビイス・ガルブレイス(カナダ/PGファイトクラブ
<第1試合>
●ジョーイ・ヴィラセニョール(米国/ジャクソンズサブミッションファイティング)
(1R 0分22秒 KO)
○ロビー・ローラー(米国/ミレティッチMA)
スポーツナビ) - 10月22日17時34分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061022-00000025-spnavi-spo

ネバダ州のアスレチックコミッションMMAルールにより、全試合1R5分の3R制、ドローあり、四点ポジションでのヒザ蹴りを始めとするグラウンド状態での頭部への蹴りは禁止、シューズ&道衣の着用は禁止。
 
正直、あまり面白くなかったです。4・6・7試合はそれなりに期待していたのですが、ちょっとがっかり。ジョッシュは疲れが残っていたのか、あるいは実はナツラが相当強いのか(その可能性もある)…しかし、アメリカの観客はシビアで、途中すごいブーイングでした。
メインはある程度予想できたとはいえ、あそこまで実力差があるとは。ヒョードルを倒す可能性がるのは、今はミルコがベストコンディションのときぐらいかもしれません。
今日のMVPは、ワタシ的にはレニー・ハート(^_^;)