東海大棄権10区荒川じん帯損傷/箱根駅伝

1月4日9時45分配信 日刊スポーツ
<第84回箱根駅伝>◇3日◇復路◇箱根−東京(5区間109・9キロ)
 史上初めて、悲劇は3度起こった。東海大の最終10区の走者、荒川(4年)の右足首は限界だった。必死の形相で前に進もうとしたが、無残にも転倒。そのまま大崎コーチが止めに入った。「すいません…」。激痛に、荒川はひと言発するのが精いっぱいだった。
 6キロ付近の蒲田の踏切で、線路の溝に右足を取られた。前けいひ靱帯(じんたい)損傷。右にカーブを切るたびに、激痛が荒川を襲った。体を支えきれず2度も転倒した。「ペースを落としていいから」。大崎コーチから声が飛ぶ。しかし、21キロ手前の3度目の転倒が限界だった。
 往路の順大に続く強豪校の棄権に、沿道の観客がどよめいた。伊達、佐藤と2枚看板をそろえた優勝候補の東海大でさえ、最後までたすきをつなげることさえできなかった。9区では大東文化大の住田(3年)が脱水症状とけいれんで棄権していた。往路での順大の棄権があったため、復路は給水規制(通常は15キロで1回)を緩和して、1回分、多くしていた。
 しかし、それでも悲劇は止まらなかった。94年までわずか3件だった棄権が、95年以降では8件目。大会の青葉昌幸会長は「これだけ注目されると、体調が悪くても走ってしまう選手もいる」と指摘。日本陸連沢木啓祐専務理事は「異常事態。医療スタッフを交えて原因究明したい」と話した。駒大が歓喜の渦に囲まれている時、東海大の荒川は救急車で運ばれた。あまりにも大きな明暗を残し、今年の箱根が幕を閉じた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080104-00000030-nks-spo

順大の小野選手、東海大の荒川選手、どちらもけっして弱い選手ではないどころか・・・・

昨年春の関東インカレの1部10000Mの結果
1 メクボ・J・モグス 山梨学大 28:01.06
2 小野 裕幸 順大 28:26.61
3 北村 聡 日体大 28:26.88
4 伊達 秀晃 東海大 28:27.17
5 竹澤 健介 早大 28:32.13
6 荒川 丈弘 東海大 29:16.27
7 阿宗 高広 国士大 29:18.63
8 山本 浩之 東洋大 29:19.50

つまり、関東学生ベスト6のうちの2名なのです。荒川選手はやっと駅伝で実力を発揮する機会が訪れたのに・・・不運としかいようがないです。
私が東海大学優勝を予想したのは、佐藤伊達の2枚看板に加え、この荒川(他大学ならエース格?)、そしてほかにも10000M28分台が何人かいる、ということからでした。
実際には、東海のほかの28分台の選手たちはなんとも存在感のない走りで、28分台をマークした時のレースが限りなくまぐれに近い?と思われます。ですが荒川は上記の通りそれとは違う実力者。本人さぞ無念だったと思います。しかし彼は4年生ですからこれで終了。
ちなみに日体北村・東海伊達も4年生。伊達は区間賞こそなかったものの4回の駅伝のうち3回はすばらしい走りをしたが、北村も駅伝ではダメでした。
山梨モグス・順大小野・早稲田竹沢は3年生。東海佐藤悠基も3年生。来年の2区はモグスとダニエル(現2年)と佐藤と竹沢の区間賞争いかと思いますが、今回散々だった小野選手もがんばってほしいものです。もっとも、モグスが実力的に抜けています。
やっぱり学生にとって重要な試合はインカレ・・・関東インカレと日本インカレ。この重要な2大会で各校のエースが出場する10000、5000(ハーフマラソンもありますが…)このあたりで入賞する選手は真の実力者であり、ですから基本的には箱根でもいい走りをします。単純なもちタイムよりも参考になると感じます。

2007関東インカレ1部5000m
1 上野 裕一郎 中大 14:01.00
2 松岡 佑起   順大 14:01.17
3 竹澤 健介   早大 14:01.59
4 高橋 優太 城西大 14:03.15
5 伊達 秀晃 東海大 14:03.68
6 小野 裕幸 順大 14:05.09
7 佐藤 悠基 東海大 14:08.04
8 松藤 大輔 日大 14:09.01

2007日本インカレ10000m
1 メクボ・J・モグス 山梨学大   27:52.79 ※大会新記録
2 松岡 佑起  順大    28:55.66
3 ギタウ ダニエル 日大 28:59.51
4 サムエル・ガンガ 広島経大 29:00.83
5 宇賀地 強  駒大 29:04.09
6 佐々木 悟  大東大   29:10.79
7 荒川 丈弘  東海大   29:15.13
8 佐藤 悠基  東海大   29:17.60

2007日本インカレ5000m
1 竹澤 健介 早大   13:36.02
2 松岡 佑起 順大   13:36.51
3 高橋 優太 城西大   13:37.69
4 キプロノ ムタイ 第一工大 13:39.80
5 上野 裕一郎 中大 13:43.28
6 伊達 秀晃 東海大   13:43.53
7 ギタウ ダニエル 日 大 13:50.06
8 大西 智也 東洋大   13:50.43

しかし、駅伝特有のやむを得ぬ馬鹿っ飛ばし、そしてそれによるアクシデントを、あまり美しく捕らえないほうがいいかと思います。そして、これまでのさまざまなアクシデントを思い出すに、1区間15KM程度ならばまあなんとかなるのかなとも思います。実際走ったことないのでわかりませんが、身体への負荷は15KMと20KMで結構違う気がします。そのほうが選手たちの将来なども考慮するならばよいのではないかと思います。
だから、どうしてもいまの東京箱根間でやるなら14区間でやるとか・・・安易ですけど(笑)
14区間なら選手の出場チャンスも増えますし。
でも、そうすると層の厚い学校が圧倒的に有利になります。でもまあいいじゃないですか、有望な選手の将来をつぶすより。
来年の予想。スーパー高校生?が3名入学するらしい早稲田の優勝。2位が駒沢。そして城西大はついにシード権獲得、しかしぎりぎりではなく余裕で。