株誤発注、91万2千円で現金決済…損失400億円超


 みずほ証券が総合人材サービス業、ジェイコムマザーズ市場)の株式を大量に誤発注した問題で、株取引の決済を行う日本証券クリアリング機構は12日、ジェイコム株の買い手に、株券の代わりに、1株あたり91万2000円の現金を支払って強制的に決済する措置を正式に決めた。
 みずほ証券の損失額は、8日に公表した270億円から400億円超に膨らむ見通しだ。東京証券取引所は、誤りに気付いたみずほ証券が出した取り消し注文を受け付けなかったのは、東証のシステムに問題があったと認めており、今後は、みずほ証券東証との損失の負担割合も焦点となる。
 今回、みずほ証券が買い戻さなければならないジェイコム株は、9万6236株。上場初日の8日に1株91万2000円で取引が成立しかかったところで、「1円で売り」との誤発注が出て、株価が急落したことから、同機構は、買い手への支払い額をこの91万2000円とした。
 13日に現金払いで決済し、東証は14日からジェイコム株の売買を再開する。現金決済は1950年の旭硝子株のケース以来だ。
 みずほ証券は決済で、支払い額と、買い手の取得価格との差額を支払う。例えば、8日の最安値57万2000円でジェイコム株を取得した買い手は、1株あたり支払い額との差額である34万円を受け取る。
 みずほ証券の損失は400億円超と見込まれるが、取り消し注文が正常に受け付けられていれば、損失は6億円で済んだとの指摘もある。このため今後の協議によっては、東証が損失の多くを負担する可能性も出ている。 (読売新聞) - 12月12日21時50分更新
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