<福岡国際マラソン>藤田敦史が3位 優勝はバラノフスキー

 来年12月のアジア大会(ドーハ)代表選考会を兼ねた第59回福岡国際マラソンが4日、福岡市の平和台陸上競技場を発着点に行われ、ドミトロ・バラノフスキー(ウクライナ)が同国記録の2時間8分29秒で初優勝した。2位はフリオ・レイ(スペイン)。日本人では藤田敦史富士通)が2時間9分48秒で3位に入ったのが最高だった。藤田は00年大会で当時の日本最高記録で優勝しながら長く故障に苦しみ、5年ぶりのこの大会を復活の足掛かりにした。03年大会優勝の国近友昭(エスビー食品)は2時間13分49秒で6位だった。(正午の気象=曇り、気温8.9度、湿度48%、西北西の風6.2メートル)
 ■レース評
 序盤は強い向かい風で5キロを15分40秒台がやっと。コースの向きが変わり10キロ過ぎから追い風になるとペースが上がり、15キロからの5キロは14分30秒台。寒さと急激なスピード変化が選手の体力を消耗させ、20キロ過ぎで国近、30キロ手前でビウォットが脱落した。
 31キロ過ぎて折り返しペースメーカーが抜けるとバラノフスキーがスパートし、ビルハヌ、レイ、藤田と続いた。バラノフスキーは向かい風の中でも、ダイナミックな走りを保ち快勝した。
 藤田はやや動きが小さくなったが粘り、35キロ過ぎからレイと接戦。39キロ手前でビルハヌをかわし2位争いに。競技場手前でレイに突き放されたが5年ぶりに2時間10分を切った。【石井朗生】
 ▽フリオ・レイ 残り11キロからの向かい風はきつかった。32キロ付近でバラノフスキーがスパートした時には足がつりそうで状態が悪かったので、2位狙いに切り替えた。
 ◇復活レースは「悔しいの一言」…藤田
 35キロ過ぎからレイに後ろにピタリとつかれた。向かい風を受ける藤田の顔がゆがむ。「振り切りたかったけど、足に余裕がなかった」。ビルハヌを39キロ手前で捕らえたが、先を行くバラノフスキーを追う力は残っていない。競技場手前でレイにかわされて3位。前日本記録保持者の復活レースは「悔しいの一言」で終わった。
 時間を追うごとに下がる気温、吹き付ける風雨と過酷な条件だった。しかも、レースを引っ張るペースメーカーの速さが不安定だ。中間点までに先頭集団は6人。日本人は藤田ただ一人になった。「国近さんに残ってほしかった。でも、僕もペースがものすごく速く感じた」。集団についていくしか方策がなかった。
 5年前のこのレースで2時間6分51秒の日本最高記録(当時)を出した。アテネ五輪の一番手と見なされていたが、故障に泣いた。01年の世界選手権12位を最後にマラソンから遠ざかる。今年3月のびわ湖毎日で完走してこの大会に挑んだ。順調な調整を続け、「(負けたら)言い訳はできない」とまで言い切った。だが、「調整をかなり高い質でやってしまってピークが少しずれていた」。レース前の不安が的中した。
 それでもサバイバル競争を生き残っての2時間9分48秒は、日本記録以来となる自身2度目の「サブテン」。藤田は「完全復活に向けてのステップにはなった」と自嘲(じちょう)気味に言った。本人にとっては不満が残るかもしれないが、3年後の北京五輪に向けて、「藤田」の名前が思い出されたことは確かだった。【百留康隆】
 ○…冷雨と強風の過酷なレースを制したのは、「むしろこういうコンディションが得意」というマラソン5回目の26歳、バラノフスキー。自己ベストを3分以上も更新した。
 アテネ五輪で途中棄権した男が、荒天で本領を発揮した。折り返しを過ぎ、ペースメーカーがいなくなるのを待っていたかのように、手の振り、足の運びを意識的に大きくして、後続をみるみる引き離した。
 母国では2時間11〜13分台で「一流」らしく、「私のこの記録を政府が認めてくれて、マラソンへ今以上の支援を注いでくれることを願っている」と話した。
 ○…03年の大会を2時間7分52秒の好記録で制した国近。その再現を狙ったが、20キロ過ぎで先頭集団から後退、優勝争いに絡むことなく6位に終わった。
「もっときつい練習でもペースをキープできてるのに……。悪条件は得意じゃないので、朝起きた時に『えー』と思った。その時点でだめだったのかも」と浮かない顔。
 それでも「絶対に完走はしたかった」と粘りをみせて順位を上げた。「土台は出来ている。だめな時もあるので、分析して近いうちにまた走りたい」と気持ちを切り替えていた。
 ○…今年6月から高橋尚子の練習パートナーを務める藤井博之(ファイテン)は2時間20分11秒で12位。東京国際女子での高橋の優勝に刺激され自己記録(2時間12分39秒)更新も目指したが、「中盤からはきつくて十分な結果が出せなかった」と残念がった。しかし沿道で声援を送った高橋は「レディース用お得メニューの練習しかしていないのに日本選手で5番目はすごい」と大喜び。パートナーの実力を再認識し、「頼もしいですよね。私もまた頑張らなきゃ」と意欲を高めていた。
毎日新聞) - 12月4日20時57分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051204-00000017-mai-spo

すっかり見逃したのであえて長い記事を。
藤田、ホントに久しぶりです。長いブランクでしたが、「国近さん」というくらいだからまだ若いですよね。がんばってほしいです。
バラノフスキーって誰だろう。フリオ・レイも私は知らない。国近は失礼だけど2年前ができすぎでは?ワイナイナ、7着だったようで・・・さすがに下り坂?